とらこ様からお誕生日に頂いたロクテリSSです…♪♪♪

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 ■クリスマスロクテリ

この日、ロックは火加減を見る為、何度めかのオーブンを覗きこんだ。
普通にチキンにすればよかっただろうか・・・?火の通りを心配しながら思い悩む。
特別な日だからとターキーを用意してみたけれど、今更ながら慣れない食材に手を出すのではなかったか・・・と今更なことを思ってはあまり表情に出ない彼の瞳が、不安に揺れている。
実のところ、食べる側のテリーはクリスマスにターキーだとか、チキンだとかと拘る性質ではない。
むしろ、イベント事にはめっきり疎い方だ。

ロックもしかり。

夢のないことでは、引けを取らない彼は、子供時分に早々にサンタの正体を暴露して、プレゼントはいらないと断言していた程だ。
さすがに「子供らしくサンタの存在くらい信じとけよ。」テリーは不服そうにしたけれど、
それこそ子供扱いされたくないというロックの本意だったから、後悔はしてなかった。



サンタのプレゼンとなどなくても、今日という日が二人にとって特別な日には違いない。
聖なる夜。クリスマス。
家族や大切な人と過ごす特別な日。
子供の頃から妙に冷めていて、決して淋しいなどと口にしたことはないロックだけれど、
この日ばかりはテリーも何処にも立ち寄らずロックの元に急ぎ帰って来た。
町中がキラキラと祝福に溢れる中、ロックを一人にしない為に。
それが分かっているから、信仰心の薄い自分にもクリスマスが特別に思える。
そんな気持ちを持たせてくれた彼が好きだった。



「メリー・クリスマス」

扉を開けて帰宅したばかりの彼に駆け寄って、祝福のキスを送る。

「サンキュー・ロック」

身長差のある彼に届くようにするには、背伸びしてしがみつくような形になったけれど、
身を屈めて嬉しそうに笑う彼が、大切で、
それ以外なにもいらないと思った。





そわそわと。
ロックは先ほどから、彼が帰って来るのを待っている。
それはプレゼントを待つ子供の気持ちに似ている、と少しばかりおかしく思っていると
「ただいま。」
背後から声が返って驚いて振り向いた。
部屋に帰りついたテリーが充満する料理の匂いに気付いたのだろう、目を細めている。

「おかえり。」

もう身を屈める必要はなくなった彼に近づいて、
わずかな身長差を埋めるように腕を延ばせば、その手に外気に冷えた冷気を感じ、
その手でそっと温めるように頬に包む。
触れ合う瞬間にテリーの髪がロックの頬をくすぐった。

「Merry Christmas テリー・・・・・・」

離れる唇を惜しみながら、囁くように言うと

「サンキュー・ロック!MerryChristmas!」

変わらない笑顔が惜しみなくロックに向けられた。
その笑顔に、眩しく切ない気持になって、思わず視線を外す。
そんなロックの気持ちにも気付かずに、テリーが苦笑を浮かべて言った。

「しかし、男二人でChristmasを祝うというのも、不毛だな。そろそろ卒業か?」
「え・・・?」

凍りついたロックに気付かない風で

「一緒に過ごしたい彼女でも出来たら、邪魔するつもりはないからな。遠慮せずに言えよ。」

先ほどまでの、そわそわして、気恥ずかしくもクリスマスを心待ちにして浮かれていた気持ちが、急速にしぼんでいくのが分かった。

「・・・・・・」

言葉に出来ずに唇を噛んだ。


「ロック・・・?」

返事のないのを訝しんだテリーが顔を覗き込もうとする。
見られたくなくて背けたロックに、テリーは余計に不審に思ったらしい。

「どうした?」

背中を向けたロックの前に回り込み、問いかけたテリーの目が大きく見開かれた。

「ロック・・・」

「・・・なんでもない。」

流れる涙を前に、なんでもない訳がないのだが、追及したところで、理由を話さない頑固さを知ってるテリーはただ困ったような顔を見せた。
その表情に後悔の念がわく。
テリーの与えてくれる愛情を十分すぎる程感じながら、
それしかいらない、とさえ思ってしまう。自分の欲深さに嫌気がさす。

それでも。

どんなに大切にされてても、愛情を注がれてても、欲しいのは
欲しいのは恋人のキスだけ。

「ロック・・・?」

その声音に幼い子を宥めるような響きを感じて咄嗟に口にしていた。

「テリー、キスして。」

ロックの声にテリーが驚いた顔をする。
それでもすぐに与えられる親愛のキスに

「違う。」

頭を振る。

「そんなんじゃない。」

キスの意味が違うのだと、絶望的な気持ちで否定する。
欲しいのはそれじゃない。




これで親子ごっこも終わりかな・・・?今ある愛情すらも失うのだとうつむいて諦めかけた時、
頬にあたる温もりに驚いて顔を上げた。
目の前テリーがこの上なくやさしく表情を浮かべながらロックを見ている。

「テリー?」

問いかけの言葉は途中で

「我が儘なガキめ。」

重なる唇の中で途切れた。





fin

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攻めです。
ロックは攻めです。
これでも、攻めです(・・・・・・・・・orz)

お誕生日おめでとうございますー
以前、許可頂いた金太さんのクリスマス&泣いちゃうロックのネタを書かせて頂きました・・・

金太さんのお誕生日なので、精一杯甘さ増量にしてみましたが、自分で吐いた砂糖の山に
溺れて死んでしまいそうです・・・
こんな乙女な子、受けでも書いたことないよ・・・

金太さんの描かれた作品のイメージ壊してしまって、ごめんなさい・・・・
不憫なロックのまま終わろうかと思いましたが、お誕生日なので一応ハッピーエンドで・・・


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とらこさんよりお誕生日のお祝いに、ロクテリSSを頂いてしまいました…!!
しかも、以前ココにアップした、ロクテリのクリスマスネタを甘々シリアスカップリングSSに!!
あんなロックへたれ漫画が、とらこさんの手に掛かると、こんな素敵なシリアスハッピーSSに!!
なんて魔法!なんて魔法!!
ロックはこの調子で、Hの時も駄々こねてテリーにやらせて貰えば良いと思いますー!(←本気)
ロックの拗ねたり駄々をこねたりな乙女攻めを、あまりにもテリーがカッコ良く受け止めてくれて、もう萌え過ぎまし…た…!!テリー、カッコ良すぎるヨ…!!ハァハァ…!!
とらこさん、こんなコラボ(?)なSS、嬉しくってドウシヨウかと思いました!!有難うございましたー!!

2009-08-08

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